#04『E.T.』ミニッツライナー(115分)

ミニッツライナーとは?
映画本編ごとに止めて
「だれが」「なにをした」
かだけをずつ書いていくことで  
映画の構造をより深くたのしむ方法です
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こんにちは
今回はスピルバーグの代表作
『E.T.』をミニッツライナーしていきます
※115分の劇場公開版です 1IMAGE_0002 1000万ドルという低予算で製作されたにも関わらず当時の映画史上最大の興行収入を記録 日本でも動員数1069万人、興行収入135億円と大ヒット 1大E.T.ブームが巻き起こった

目次

【前半】
『E.T.』ミニッツライナー(115分) 
読めばいつでも映画を思い出せるように「だれが」「なにをした」だけでシンプルに書きました

【後半】
まとめ&15分解説
「おとなの顔を映さない」
『E.T.』がもっとおもしろくなる!映画を教科書のようにわかりやすくした解説です

それではどうぞ
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1983年公開『E.T』 上映時間115分
E.T. the Extra-terrestrial
監督 スティーヴン・スピルバーグ
脚本  メリッサ・マシスン
 
※数字は上映時間の分です
()は気づいた伏線を追記しています
1.タイトル
2.宇宙船、地球に立つ
3.E.T.たち、地上に降りる
4.E.T.、植物を回収
5.おとなたち、E.T.を探しにくる
6.おとなたち、E.T.を発見
7.おとなたち、追いかける。宇宙船、飛び立つ
8.E.T.、町に消える
9.仲間はずれのエリオット
10.エリオット、物音に気づく
11.エリオット、納屋の異変を知らせる
12.足跡だけがみつかる
13.エリオット、また物音に気づく
14.エリオット、物音の正体を確かめる
15.エリオット、E.T.を目撃
16.エリオット、E.T.を探しにビーンズを撒く
17.おとな、E.T.を探す
18.誰にも理解されないエリオット
19.パパなら信じてくれた
20.エリオット、E.T.に会う
21.E.T.、集めたビーンズを返す
22.エリオット、E.T.を部屋まで誘導
23.エリオット、E.T.を部屋に招く
24.エリオット、E.T.と対話
25.エリオット、眠くなる
26.おとなたち、ビーンズをみつける
27.エリオットの仮病。マイケル、車を出す
28.家族がでかける。エリオット、E.T.をクローゼットから出す
29.エリオット、E.T.に言葉を教える
30.エリオット、E.T.に言葉を教える
31.エリオット、朝食をとりにいく
32.マイケル、帰宅
33.エリオット、マイケルにE.T.を見せる
34.ガーティにみつかる。ママが帰ってくる
35.3人でE.T.と向き合う
36.エリオット、秘密を約束させる
37.おとなたち、森を探し終える
38.3人でE.T.を研究(枯れた花)
39.E.T.、宇宙から来たことを教える
40.E.T.、超能力を見せる
41.エリオット、おとなたちがE.T.を探していることを知る(花を咲かす)
42.ワルガキに理解されないエリオット
43.ママ、物音に気づく。クローゼットを見渡す
44.エリオット、授業を受ける。E.T.、犬と仲良くなる
45.E.T.、ビールを飲む
46.エリオット、E.T.とシンクロする
47.E.T.、テレビを観る
48.カエルの実験
49.エリオット、E.T.の信号を受け取る
50.教室は大パニック。E.T.、『静かなる男』を観る
51.エリオットのキス。E.T.部屋を散らかす
52.ママとガーティ、買い物から帰る
53.E.T.、言葉を話す。ママ、学校へ迎えに行く
54.E.T.、エリオットの名前を呼ぶ
55.E.T.、家に電話をかけたがる
56.おとな、町を盗聴
57.エリオットとマイケル、レーダーを作る
58.おとな、エリオットとマイケルの思い出話を盗聴
59.E.T.、エリオットの傷を治す
60.おとな、ママとガーディの読み聞かせを盗聴
61.ET.、レーダーを作る(花が萎れる)
62.ハロウィンの仮装
63.3人でハロウィンに行く
64.E.T.のハロウィン見物
65.エリオット、E.T.を乗せた自転車で森を走る
66.エリオット、空を飛ぶ
67.ママの留守番。森でレーダーを組み立てる
68.ママ、心配になって捜しに行く(メキシコ)。おとなたち、家に侵入
69.通信成功
70.おとなたち、家を捜索
71.エリオット、地球で暮らすことを願う。E.T.、家に帰りたがる
72.E.T.がいなくなる
73.ママ、エリオットを心配。エリオット、家に帰る(メキシコ)
74.マイケル、E.T.を捜しにいく。おとなたち、追跡する
75.マイケル、川で弱ったE.T.をみつける
76.マイケル、ママに弱りきったE.T.を見せる
77.ママ、こどもたちをE.T.から遠ざける
78.おとなたち、家に押しかける
79.おとなたち、家を占領
80.キーズ、登場
81.おとなたち、E.T.とエリオットを調べる
82.キーズ、E.T.と再会。エリオットと話す
83.キーズ、E.T.との過去を語る。エリオット、E.T.を家に帰そうとする
84.E.T.、回復
85.E.T.、エリオットとのシンクロを切る
86.マイケル、クローゼットで眠る(花が枯れる)
87.E.T.、息絶える
88.おとなたち、E.T.を蘇生させる
89.おとなたち、E.T.をあきらめる
90.キーズ、E.T.を眠らせる
91.おとなたち、E.T.を冷凍保存
92.キーズ、エリオットに最後のお別れをさせる
93.エリオット、E.T.に最後の別れを言う
94.花が咲く
95.E.T.、生き返る
96.エリオットとマイケル、作戦を練る
97.エリオットとマイケル、E.T.を連れて逃走
98.マイケル、ワルガキに助っ人を頼む
99.ママとガーティ、ふたりを追いかける(花が満開)
100.ワルガキ、E.T.に会う
101.警察、自転車の少年たちを追跡
102.少年たち、警察を撒く
103.警察、銃を向ける。少年たち、空を飛ぶ
104.E.T.と少年たち、宇宙船との遭遇
105.E.T.、宇宙船を呼ぶ
106.ガーティ、花を渡す。マイケル、感謝する
107.E.T.、一緒に行こうと誘う。エリオット、地球に残る
108.イツモ ココニ イルヨ
109.E.T.、宇宙船に乗る
110.宇宙船、地球を発つ
111.E.T.、帰る
112.エンドロール
113.エンドロール
114.エンドロール
115.エンドロール
 
 
 
 
 
まとめ 
10分 エリオット、物音に気づく
20分 E.T.に会う
30分 マイケルにE.T.を見せる
45分 エリオット、E.T.とシンクロする
60分 E.T.レーダーを作る
75分 おとなにE.T.を見せる
90分 E.T.息絶える
105分 最後の別れ
ラスト E.T.帰る
 
次は15分おきにミニッツライナーで見えた 『E.T.』のストーリーを解説していきます
 
 
 
 
 

130_full15分解説
「おとなの顔を映さない」
これは、『E.T.』の撮影のルールでした
実は
小規模な映画の中でスピルバーグが自分のテーマを描くために発明した「しかけ」にもなっています
今回はこのルールから見た
『E.T.』の映画としての凄さについて
教科書みたいに解説していきます

 


97c13f1b387e04b407dae4d5ad91b90f 10分まで エリオット、物音に気づく
 
ここで起きること
・E.T.登場 ・おとなたちが邪魔をする
・E.T.町に逃げる
 
おとなは悪役のように描かれていますが
本来E.T.は植物を回収する目的を果たして、そこで物語は終わりだったわけです
つまり、おとなが邪魔していなければその後の物語は成立しなかった
おとなはストーリーの重要な人物です
 
独り群れを外れたE.T.は眺めていた町
いつかはおとなになる存在。こどもたちのところに逃げ込みます
 
E.T.おとなこども
舞台の
この三者の物語であることを説明しているのと同時に
ラストまで描かれるものの全てが出揃います
 
最後にエリオットが登場
9.仲間はずれのエリオット
10.エリオット、物音に気づく
満たされない状況。ドラマ上の欲求が語られ
主人公が行動するキッカケがみつかります
 
ここまでが冒頭10分
映画の紹介です






maxresdefault 20分まで E.T.に会う
 
ここで起きること
・エリオット、E.T.を探す
・理解されないエリオット
・E.T.に会う
 
ママの顔が映りますが例外ではなく
ママもこどもたちと同じもの(メキシコ)を求めています
 
エリオットが森で探索する時に登場する
おとな(キーズ)は実はエリオットと同じ「E.T.を探す」行動をとっていて
 
実は、こども も おとなも求めているものは同じだよ。
ということを既に言っています
 
最後に、良き理解者としての父親
エリオットが探し求めているものが語られ
20分目でE.T.に出会います






knk30分まで マイケルにE.T.を見せる

ここで起きること
・E.T.と一夜過ごす
・E.T.に言葉を教える
・E.T.を見せる
・E.T.を守ることを誓う

エリオットとE.T.が絆を深めることで
映画の目的が決まるまでの30分目です
 
E.T.と人間の接触
おとなは森でビーンズをみつけ、こどもの存在に気づきはじめます
以後、「おとな」は15分おきに登場する映画の伏線になっています
 
マイケルが車を出すときに映る
ババアの顔はおとなじゃないのでセーフです
 
映画の1/4でエリオットは
はじめてE.T.を誰かに見せることで
物語は個人から社会的なものに膨らみはじめます






14a25e15c23148d8e0980dfe667af8e345分まで エリオット、E.T.とシンクロする
 
ここで起きること
・E.T.を研究
・E.T.の正体
・エリオットとE.T.のシンクロ
 
森を探し終えたおとなたちは、ビーンズの手がかりから
こどもたちのいる=町に目星を付けます
 
映画のもうひとつの伏線「」が登場します
花が置いてあった「2階廊下」はエリオットがE.T.を家に呼んだときから何度も登場しますが
この場面に至るまで観客の目には絶対に花が映らないように撮られています
ここまでの徹底ぶりから「花」も「おとな」同様大事な要素であることがわかりますbjkbkE.T.の秘密がわかり
エリオットとE.T.がシンクロしはじめることで
状況が変化する45分目です






et1 60分まで E.T.レーダーを作る
 
ここで起きること
・カエルの大脱走
・電話をかけたがるE.T.
・レーダーを作る
 
カエルの脱走は
「人間がE.T.と出会うことによってどんなことが起きるのか」
その最大のビジョンを見せるための最初のクライマックスです
 
E.T.と意思疎通できるようになったことで
第2の目的「E.T.を返す」が浮かび上がり
レーダーを作り始めます
 
映画の半分で
実は今まで一人も町に映らなかった居なかったおとなが町に来ます
そして遂にエリオットの存在を知ります
 
ここから映画の3/4、90分までは
ラストに向けて主人公の選択肢が狭まっていきます
これによって「最後になにをするか」がハッキリします






US Flag Patch in ET 1982 Movie 75分まで おとなにE.T.を見せる

ここで起きること
・森に行く
・レーダーの通信が成功
・おとなにE.T.を見せる
 
ハロウィンから空を飛ぶまでの名シーンは
「森でレーダーを組み立てて通信しに行く」だけで
見事に本筋と関係ありません
 
通信が成功した時点で物語は一度終わってるんです
71.エリオット、地球で暮らすことを願う。E.T.、家に帰りたがる
ここに来て初めてエリオットが自分の思いのたけを語ります
いいシーンに見えますが
この間、E.T.は目もくれません
優しく涙を拭いて微笑んでくれてもE.T.にはそれがなんのか全くわからない
学校の友達とは合わなくて、お兄ちゃんのグループに憧れて入りたくても相手にされず、唯一自分を信じてくれたお父さんには会えない
そんなエリオットにとって初めてできた一番大好きな友達に自分の思いをぶつけても見向きもされない
結局E.T.とは解り合えなかったエリオット少年の絶望を見せています
 
ふたりの関係にズレが生じたところで最大のピンチが訪れ
ママにE.T.を見せると同時に
おとなにみつかります






large_4a56143a7cba10d6c83a4bddc8797ff9-et 90分まで E.T.息絶える
 
ここで起きること
・おとなたちがE.T.を治療
・エリオット、キーズと会う
・E.T.が死ぬ
 
こども と おとなが初めて向き合い
ここから15分は、おとなの物語になります
 
エリオットの良き理解者であり、最後まで出てこなかった父親 顔が映る2人目のおとな、キーズが登場しますc5d5ef80-34ab-4ff9-8f75-9e0b57a20b34 キーズがエリオットと話しをする時、エリオットから一度も目を外しません
「何かの間違いで 取り残されたんだ」と言った時だけ
一旦チラッと目を外します エリオットにこれ以上余計な心配をかけさせまいとズルイですが励ます言葉を考えます
 
おとなが残酷で悪役のように描かれ「E.T.をわかる純粋な気持ちはこどもにしかない」
ように見せていますが、そうではないです
結果的にE.T.は死んでしまいますが、「E.T.に生きて欲しい」と願って調べて治療する気持ちは同じですし E.T.を家に返すこと事態彼らは咎めてはいません
実は今までの、おとなたちの行動の理由は常にエリオットたちと同じだったんです
 
E.T.が息絶えたとき、おとなたちが一斉にマスクを脱いで、皆が悲しい表情を浮かべています
おそらく彼らも昔E.T.に会った こどもたちなんだと思います
 
だって、この映画には
おとなの顔は映りませんから






traf5 105分まで 最後の別れ
 
ここで起きること
・E.T.が生き返る
・E.T.が逃がす
・E.T.が宇宙船を呼ぶ
 
選択肢がもう無い90分目から
主人公は自分で解決しようと決心します
ここからラストまでは新しい情報は出さず
いままで積み上げてきたものだけで物語を一気に収束させていきます
 
ので、書くこともなくなります
 
E.T.は何故、生き返るんでしょうね
ここまで映画の辻褄が合うようにロジックで積み上げてきて
本当に、ここしか、ここだけ、ウソをつくからこそ
その上手さに観客は感動できるんだと思います
 
ワルガキが被り物をする魅せ方も上手いですねスタントがバレませんし
逃走中、更地と新築の建て方を何件も見せることで、この町には本当に子連れしか居ないのがわかります






DEp6Gu-XkAAByOX ラストまで E.T.帰る
 
ここで起きること
・E.T.に別れを言う
・E.T.を帰す
 
107.E.T.、一緒に行こうと誘う。エリオット、地球に残る
ここで初めて、E.T.はエリオットが感じた絶望や痛み
涙を流した理由がわかります
ようやくE.T.とわかり合えたにも関わらず
エリオットは地球に残ることを選びます… -the-Extra-Terrestrial-18 カエルの脱走事件で女の子がエリオットに振り向くことで
「E.T.が居なくなった後でも、きっとこの子が友達になってくれる」
という救いを観客に見せていますが
 
まるっきりそうではありません
 
エリオットが求めていたのは
同学年のクラスメイトより
お兄ちゃんのいるグループより
唯一自分を信じてくれる父親であり
この世で唯一わかり合えたE.T.です だから残酷にも、この女の子がどんなにエリオットと仲良くなりたくて、どんなに努力しても
エリオットの気は、かつてのE.T.のように全く見向きもしません
エリオットはそれだけ大きなものを捨てて成長することを選んだんです
 
それでも
「カエル」には 未知再生新たな意識の目覚め
という象徴の意味もあるので
もしかしたら、いずれは気が変わるかもしれません
 
それはエリオットが
おとなになったときのお話ですね



 
あ、魔女の使い魔ってメタファーもね
おわり





あとがき
解説まで読んでくれてありがとうございます
一番シンプルでカンタンでメジャーな作品を
と思ってとりあげたら
それゆえに「この解説で100%理解できるようにしてやろう!」
と熱が入ってしまい、ズルズル奥深さの沼にハマりました
 
それでも読みやすく
一番良く出来た解説になったと思います
 
年越しまでにちょっとした特集ものをやろうと企んでいます
 
映画をもっとたのしめるように
がんばりますので
 
それではバイバイ! gddbfd

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