#08『マッドマックス 怒りのデス・ロード』ミニッツライナー(120分)

ミニッツライナーとは?
映画本編ごとに止めて
「だれが」「なにをした」
かだけをずつ書いていくことで  
映画の構造をより深くたのしむ方法です
_SL1000_






あけましておめでとうございます
今回は秘宝系映画特集第4弾
V8!V8!V8!V8!V8!V8!
マッドマックス 怒りのデス・ロード』をミニッツライナーしていきます

『北斗の拳』の元ネタ。『マッドマックス/サンダードーム』以来27年ぶりのシリーズ4作目
第88回アカデミー賞ではノミネート10部門、最多6部門受賞

目次

【前半】
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』ミニッツライナー(120分)
読めばいつでも映画を思い出せるように「だれが」「なにをした」だけでシンプルに書きました

【後半】
まとめ&15分解説
「アクション映画の教科書」
映画を前半のストーリー、後半のキャラクターに絞って読むことで
『マッドマックス』がもっとおもしろくなる!映画を教科書のような解説
です


それではどうぞ


2015年公開『マッドマックス 怒りのデスロード』 上映時間120分
Mad Max: Fury Road
監督 ジョージ・ミラー
脚本 ジョージ・ミラー
       ブレンダン・マッカーシー
   ニコ・ラサウリス

※数字は上映時間の分です
1.マックスのプロローグ

2.マックス、亡霊の幻聴
3.武装集団、マックスを攻撃
4.マックス、逃走
5.武装集団、マックスを追う
6.マックス、捕らえられる(タイトル)
7.フュリオサ隊、出動準備
8.イモータン・ジョー、現る
9.イモータン・ジョー、放水
10.イモータン・ジョー、断水
11.フュリオサ、ガスタウンへ向かう
12.フュリオサ、進路変更
13.フュリオサ「東へ向かう」
14.イモータン・ジョー、妻たちの失踪を知る
15.ニュークス、目覚める
16.ニュークス、出撃を決意
17.武装集団、フュリオサを追う
18.ニュークス、イモータン・ジョーに見てもらう
19.イワオニ族、テリトリーの侵入に気づく
20.フュリオサ、イワオニ族との交戦を許可
21.フュリオサ隊vsイワオニ族
22.ニュークス、フュリオサを追う
23.俺を見ろ!
24.ワイブス(妻たち)、顔を出す
25.イワオニ族を倒す
26.嵐が近づく。フュリオサ、裏切りがバレる
27.嵐に備えろ。マックス、スリットに抵抗
28.嵐の渦中。ニュークス、フュリオサを追う
29.嵐が襲う。ニュークス、特攻を謀る
30.ニュークス、特攻失敗
31.マックス、目覚める
32.マックス、ニュークスの鎖を壊そうとするも銃が不発
33.マックス、フュリオサたちに遭遇
34.マックス、銃で水を脅し取る
35.マックス、水を飲む。ダグに鎖を断つようにを要求
36.フュリオサ、マックスを攻撃。銃の不発に気づく
37.フュリオサたちvsマックスとニュークス
38.マックス、鎖を断つ
39.マックス、ウォータンクを奪う(緑の地)
40.ウォータンクはフュリオサにしか動かせない
41.フュリオサ、交渉。マックス、手を組む
42.ニュークス、ウォータンクに乗る
43.フュリオサ、渓谷に向かう
44.ガスタウン軍の人食い男爵。フュリオサ、作戦を説明
45.マックス、ウォータンクを直しに行く
46.マックス、マスクが外れる
 ニュークス、フュリオサを襲う

47.ワイブス、ニュークスを追い出す
48.マックスたち、床下に隠れる
49.フュリオサ、マックスに作戦の手引きを教える「好きに呼べ」
50.フュリオサ、渓谷に到着
51.フュリオサ、イワオニ族と交渉決裂「バカ野郎!」
52.フュリオサ、ウォータンクに急ぐ
 武装集団、渓谷を封鎖される

53.武器将軍、「痴話ゲンカで この騒ぎとは 赤ん坊のためか」
54.イワオニ族、フュリオサを追う
55.マックスとフュリオサ、ウォータンクを守る
56.イモータン・ジョー、ウォータンクに追いつく
57.スプレンディド、楯になる
 イモータン・ジョー、ニュークスを激励

58.ニュークス、失敗
59.マックス、ハンドルを取られる
 スプレンディド、マックスの鎖を断つ
 スプレンディドの死

60.マックスたちの絶望。イモータン・ジョーの怒り

61.フラジール、イモータン・ジョーに許しを請いに行く
62.ケイパブル、修理の見張りに行く
63.ケイパブル、ニュークスに遭遇
64.ケイパブル、ニュークスに慈悲をかける
65.夜。トースト、弾を装填。ウォータンク、沼に嵌まる
66.武装集団、足止めを食らう
67.人食い男爵、資産を守る。武器将軍、フュリオサを追う
68.弟は死んだ!
69.ニュークス、協力を名乗り出る。ダグ、追っ手に気づく
70.マックス、肩を貸す。フュリオサ、武器将軍を狙撃
71.マックスとニュークス、木を鎖に結ぶ
 武器将軍、復讐に燃える。フュリオサ、守る

72.ウォータンク、動き出す
73.マックス、ウォータンクを先で止めるように指示
74.マックス、武器将軍を倒す
75.マックス、ハンドルを取り戻す「彼の血じゃない/母乳よ」
76.朝。フュリオサ、マックスに過去を話す
77.マックス、逃走の理由を聞く
78.フュリオサ、見覚えのある土地に到着
79.フュリオサ、見張りに鉄馬の女を名乗る
80.フュリオサ、鉄馬の女たちと再会
81.フュリオサ、緑の地が絶えたこと知る
82.フュリオサの怒り
83.夜。ワイブスと鉄馬の女たち
84.身篭ったダグ、種を見せてもらう
85.フュリオサ、今後のことを話す。マックス、独りで行く
86.マックス、亡霊の幻聴。娘の導き
87.マックス、フュリオサに故郷を教える
88.マックス、砦に戻る作戦を提案
89.フュリオサ、マックスと手を組む
90.イモータン・ジョー、を追う
91.スリット(インターセプター)vsマックスとババア
92.ガソリン対決、ニュークスvsスリット
 ウォータンクvsインターセプター

93.ババアvs武装集団
94.武装集団、タンクにモリを打つ
95.マックス、鎖を断ち切る
96.武装集団、上から攻撃。ダグ、種を渡す
97.イモータンジョー、トーストを捕らえる
 マックス、
娘の守護
98.フュリオサ、マックスを助ける。致命傷を負う
99.スリット、無駄死に。マックスvs人食い男爵
100.マックス、人食い男爵を倒す
101.砦が近づく
102.ウォータンクvsギガホース
  フュリオサ、イモータン・ジョーに勝負を挑む
  ニュークス、運転を代わる

103.イモータン・ジョー、リクタス、フュリオサ、ニュークス、マックス、ドーフウォーリアー、武装集団、一列に並ぶ
  フラジール、裏切る

104.フラジール、フュリオサを乗せる
  イモータン・ジョー、トーストを楯にする
  
マックスvsリクタス
105.フュリオサ、ジョーを倒す
106.ダグ、種を受け継ぐ
  ニュークス、ウォータンクに戻る
  ニュークスvsリクタス

107.俺を見ろ
108.マックス、フュリオサを治療「故郷へ」
109.マックス、フュリオサに輸血「俺の名前だ」
110.砦に帰る
111.マックス、ジョーの屍を見せる
112.フュリオサたち、緑の地に昇る
113.マックス、旅立つ
114.マックスのエピローグ
115.エンドロール
116.エンドロール
117.エンドロール
118.エンドロール
119.エンドロール
120.エンドロール







まとめ

10 フュリオサ、出動
30 マックス、目覚める
45 マスクが外れる
60 スプレンディドの死
75 夜が明ける
90 決戦へ
105 フュリオサ、ジョーを倒す
ラスト 緑の地

次は、このまとめから読んだ知能指数高めの15分解説です







15分解説
「アクション映画の教科書」

この映画はよく「ストーリーが無い」と呼ばれますが、そうではありません

①キャラクターが選択する行動にドラマ上の欲求を設定できている
それによって起こす行動が
イコールでアクションと結びついている
アクションによって状況が変化すること=ドラマの展開に繋がってくる

『エイリアン2』や『ダイ・ハード』のような名作に共通してある
アクション映画の条件を満たすことに見事成功しているから、そう見えるだけです
そのうえ本作の特徴、全てのカットに様々なディティールが篭められていることが
1つの解釈に依存しない多面的な見方をさせています

その中でも今回は
映画の
前半を「ストーリーの展開
後半を「キャラクターの成長
として主人公、マックスとフュリオサが
「映画の最初と最後でどう変化しているか」
を15分ごとに見て行きたいと思います






10分まで フュリオサ、出動
最初の10分は「映画の紹介」です
主要な登場人物、マックスフュリオサイモータン・ジョー
舞台になる、砂漠が出揃います

主人公ふたりが持っているドラマ上の欲求「満たされない状況」も描かれます
マックスは亡霊に苛まれ囚われ
フュリオサは資源を支配するイモータン・ジョーへの不満・怒り
そしてフュリオサがガスタウンに向かうことで物語のキッカケが生まれます






30分まで マックス、目覚める
30分までは「映画の説明」です

本作が「最初からクライマックス」と呼ばれるのは
フュリオサ個人の行動が社会的な問題に直接展開するからです
普通なら60分・半分の上映時間をかけて山場を作るのが映画ですが
フュリオサというキャラクターが持つ影響力は映画の半分を締める1時間分に値します

フュリオサの裏切りによってイモータン・ジョーが出撃するまでに
ラストに向けて「」を説明的に見せています
15分目に第3の主人公とも言える、ニュークスが登場
イワオニ族一連の戦闘から始まる10分間のアクションシーンで
「武装集団・ウォーボーイズ」の実態を説明
ほとんどのキャラクター、設定が出揃います

30分までは実は「マッドマックスとは何か?」を前作を知らない人でもわかる説明でもあります
説明、説明と情報を広げたあと
映画の1/4で「」が起こる事で最初のクライマックスが終わります

一旦状況はリセットされ
いよいよマックスが動き始めます






45分まで マスクが外れる
ここから映画の半分、主人公の行動によって物語が転んで膨らむ山場です
その途中の45分までに状況の変化新しい要素全体の伏線が繰り出されます

マックスが目覚めると同時に「鎖」で繋がれています
しかし、自分「個人」では絶対断ち切ることができないため
フュリオサたち「社会」との接触をはかります。これによって新たな物語が生まれます
「鎖」がなければマックスの行動はなかった
「鎖」は重要なキッカケであり主人公のテーマでもあります
※鎖は北欧神話にあるフェンリルを捕縛した足枷、グレイプニルのメタファーだと思います
ニュークスとの鎖を断つことで目的を果たし
フュリオサたちと奪ったウォータンクに乗ります
このとき初めて映画の目的緑の地」という言葉が登場します


そして
45分目にマックスがウォータンクを直す(治療)
良い行いをすることで、「マスク」が外れる
映画が始まってようやく主人公マックスのが映ります

悪者イモータン・ジョーがマスクを付けるカットはありますが、マックス・その他の悪者には無いことから
本作で一度も会話を交わさないふたりですが
ちゃんと、これからマスクを付けている者=最初から悪者。を対比して見せています
マスクを自ら外したマックス=こいつは悪者ではない。ことを見せることで
主人公、マックスが登場します






60分まで スプレンディドの死
新しい要素、重要な舞台「渓谷」が登場します
2度目のクライマックス・山場に向けて
主人公たちが協力せざるを得ない最初の試練です

フュリオサはウォータンクの「ハンドル」を預け
マックスもいつの間にか袋に入れた銃に触れることを許します
マックスが敵から鎖でハンドルを取られても、スプレンディドが断ち切り、フュリオサがレンチでカバーします
スプレンディドにも認められることで、マックスはようやく仲間になります

前半の「ストーリーの展開」はマックスとフュリオサが仲間になるまで
主人公」が「主人公たち」になるまでです

あとはイモータン・ジョーを倒せば物語は終わると思ったところで
スプレンディドを失う

ここまでが映画の半分・山場です
ここからストーリーは折り返します






75分まで 夜が明ける
取り返しの付かないものを失った主人公たちの絶望を象徴するかのように
後半が始まってから15分間、「」になります

ウォータンクが止まる=ドラマが止まることで
それぞれが自ら行動を起こさざるえなくなり
「キャラクターの成長」が始まります
フラジールは諦め
装填に手馴れるトースト
仲間を目の前で助けられなかったケイパブルは似た境遇にあったニュークスと惹かれあいます
主人公を囲むキャラクター、ワイブス・ニュークスの詳細が語られ

第2の試練、武器将軍が襲ってきます
マックスとニュークスを縛っていた鎖は助けになり
主人公たちが協力する=ウォータンクが動く
ここでも行動が展開に結びつきます
そして武器将軍を倒す試練を乗り越えることで
もう一度向かうべき「ハンドル」を取り戻します

最後に夜で色がわからないギャグでマックスが笑わせたあと
枯れ果てた緑の地も結構コミカルに描かれてますが
それを「全員がジッと辛辣な顔で見ている」カットが入ります
そして夜が明ける
昼と夜の間、正気と狂気の間にこそ本質があり
そこには幸福と狂った笑い声がある
「トワイライトゾーン」です






90分まで 決戦へ
」が来て、マックスとフュリオサが互いの事を話はじめます
ここのウォータンクちょーかわいい
そして目的を失ったフュリオサたち

選択肢が無くなり、とことん不利な状況に追い詰められる
ここに来て主人公、マックスは初めて自らの行動を選択します
ファーストシーンに戻ります
1.マックスのプロローグ
2.マックス、亡霊の幻聴
3.武装集団、マックスを攻撃
4.マックス、逃走
5.武装集団、マックスを追う
6.マックス、捕らえられる(タイトル)
冒頭6分はマックスの紹介です
プロローグを語ること=過去に囚われていて
亡霊に悩まされていて、弱く逃げるしかない追われの身
マックスが本編で抱える葛藤のすべてです

本編をもう一度観るときに注意して欲しいのは
マックスが亡霊を見るときは必ず逃走・後ろめたい行動をとる時だけです
その正体が86分目に「」だとわかります
スプレンディドに母親を見ていたかもしれません

葛藤に囚われずに済んだマックスが闘争することを選択することで
90分目、最後のクライマックスが始まります






105分まで フュリオサ、ジョーを倒す
イモータン・ジョー、今まで何してたの?
渓谷」までの戦い最後の試練が始まります

早速戦うのはマックスの過去の葛藤であるインターセプター、ニュークスも親友スリットと戦います
鎖に縛られていたマックスはもう自分で鎖を断ち切ることが出来ます
娘もマックスの味方します
これ以上仲間を失いたくないフュリオサは落ちそうになったマックスを助けます
主人公マックスが武器将軍を倒し(また直接攻撃でない)たあとは
それぞれのキャラクターの活躍、成長した結果

105分目でフュリオサは「映画の葛藤」ジョーを倒します






ラスト 緑の地
最後は映画の結論部、解決です

フラジールが汚れ役を買い
トーストがフュリオサを援護し
ダグが種を受け継ぎ
ニュークスも過去の葛藤を倒し
ケイパブルはまた一段成長します

ここまで仲間のために戦った瀕死のフュリオサは
この期に及んで自分の心配ではなく
マックスが言った「故郷」を信じてくれています
マックスとフュリオサの関係は愛や友情といった個人を超えた最高の関係です

さて、ラストを考えたい
マックスは旅立つ前に緑の地に昇るリフトに一度乗っています
放水が起きたあと
それを見る主人公たちの中でマックスのだけにカメラが寄っていきます
フュリオサが気づいた時にはリフトを降りている

困難を乗り越えた結果に納得したのか
群がる大衆を見て、結局支配者が変わっただけでは状況は変わらないと悟って絶望したのか
それとも自分の行くべき道を思い出し、ここではないと決心したのか

多様な解釈を持った顔を見せる。そう、これこそが演技です!

マックスは葛藤を乗り越え
フュリオサは緑の地を取り戻した





15分解説おわり







あとがき

解説まで読んでくれて本当にありがとうございます

秘宝系映画特集として
『悪魔のいけにえ』
『狂い咲きサンダーロード』
『ゾンビ』
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
4作品をとりあげさせて頂きました
選出は2017年に出た「
映画秘宝EX 究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10」
のランキング上位から引用しました



前にどこかで
「秘宝系というのは全ての映画を
『悪魔のいけにえ』や
『ゾンビ』や『狂い咲きサンダーロード』を語るときと同じテンションで全ての映画を語る人達のことだよ」

という発言を見かけて本当にその通りだなと思いました

同時にじゃあ僕は「全ての映画をSFで語りたい」と思った

それをこの活動のテーマにしようと考え
どうせやるなら今やれ!と今回の特集を組みました

これが僕の映画に対するものの考えです
今後そういうやり方で映画がもっとおもしろく観れるようになれたらなと思います

ではまた

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