#13『アイアンマン』ミニッツライナー(125分)

ミニッツライナーとは?
映画本編ごとに止めて
「だれが」「なにをした」
かだけをずつ書いていくことで  
映画の構造をより深くたのしむ方法です
_SL1000_






こんにちは
今回は最初の文字が「ア」からはじまる映画特集第3弾
アイアンマン』をミニッツライナーしていきます

マーベル・コミックの人気作「アイアンマン」の実写映画化
MCUの原点。マーベル・シネマティック・ユニバース、1作目

目次

【前半】

#13『アイアンマン』ミニッツライナー(125分)
読めばいつでも映画を思い出せるように「だれが」「なにをした」かだけでシンプルに書きました


【後半】
まとめ&15分解説
「~アメコミ映画の構成術~
 起・承・転・結を2回繰り返す

『アイアンマン』がもっとおもしろくなる!映画を教科書のようにわかりやすくした解説です


それではどうぞ

2008年公開『アイアンマン』 上映時間125分
Iron man
監督 ジョン・ファヴロー
脚本 マーク・ファーガス
   ホーク・オストビー
  アート・マーカム
   マット・ホロウェイ

※数字は上映時間の分です
1.トニー、アフガニスタンを移送
2.トニー、護送車で兵士と談笑
3.トニー、テン・リングスの襲撃を受ける
4.トニー、テン・リングスに拉致される(タイトル)
5.天才トニー・スタークの功績
6.オバディア、トニーの代わりに表彰を受ける
7.トニー、カジノで遊ぶ
8.トニー、美人記者の取材を受ける
9.トニー、記者と寝る
10.ペッパー・ポッツ、目覚めた記者に服を渡す
11.ペッパー・ポッツ、トニーに飛行機の時間を急かす
12.トニー、ペッパー・ポッツの誕生日を思い出して祝う
13.トニー、飛行機機に搭乗
14.トニー、ローズ中佐と機内で呑む
15.トニー、国軍に新兵器ジェリコを紹介
16.ジェリコの威力。トニー、商談成立
17.トニー、手術を受ける。目覚める
18.トニー、胸に電磁石を埋め込まれる
19.インセン、電磁石を説明
20.トニー、テン・リングスから歓迎受ける
21.トニー、自社の兵器を見せられる
22.テン・リングス、ジェリコの開発を依頼
23.インセン、トニーを説得
24.トニー、インセンと何かを開発
25.トニー、インセンの名前を聞く
26.トニー、アーク・リアクターを完成させる
27.トニー、パワードスーツの設計図を見せる
28.テン・リングス、ジェリコを作ってないことに気づく
29.ラザ、トニーとインセンを訪ねる
30.ラザ、演説
31.ラザ、インセンを拷問
32.トニー、拷問を止めさせる。ラザ、明日までに完成を迫る
33.トニーとインセン、パワードスーツを開発
34.トニーとインセン、異変に気づいたテン・リングスを罠で返り討ちにする
35.インセン、完成が間に合わないと気づき応戦
36.パワードスーツ、起動
37.トニー、テン・リングスを攻撃
38.トニー、ラザを攻撃
39.インセン、息絶える
40.トニー、脱出
41.トニー、アフガニスタンをさまよう
42.トニー、ローズ中佐の救出を受ける
43.トニー、帰還。ペッパー・ポッツに記者会見を用意させる
44.オバディア、トニーを迎え入れる
   コールソン、ペッパー・ポッツに接触

45.トニー、記者会見で父への疑念を明かす
46.トニー、3ヶ月で起きたことを話す。兵器製造の中止を宣言
47.オバディア、トニーに抗議
48.トニー、アークリアクターの研究に専念
49.トニー、ペッパー・ポッツに手の大きさを聞く
50.トニー、ペッパー・ポッツにアークリアクターの交換を頼む
51.ペッパー・ポッツ、交換に挑戦
52.ペッパー・ポッツ、交換に成功
53.トニー、古くなったアークリアクターを処分させる
   ローズ中佐、下士官に有人機の優位性を指導

54.トニー、新しい計画を持ち込む
   ローズ中佐、突き放す

55.トニー、パワードスーツを設計
   ラザ、パワードスーツを発見

56.トニー、パワードスーツの脚部を開発
57.トニー、パワードスーツの飛行テストに失敗
58.トニー、パワードスーツの腕部を開発。飛行安定器が暴発
59.オバディア、社員に研究を公開するよう要求
60.トニー、パワードスーツの飛行に挑戦
61.トニー、パワードスーツの飛行に成功
62.トニー、MARK2を完成させる
63.トニー、上空を飛行
64.トニー、高度を上げ氷結
65.トニー、氷結を解除。帰宅
66.トニー、ペッパー・ポッツからプレゼントのお返し
   ラザ、パワードスーツを研究

67.トニー、テレビで自主主催の慈善イベントに招待されなかったのを知る
68.トニー、慈善イベントに到着
69.オバディア、トニーに忠告
   コールソン、トニーと約束をつける

70.トニー、ペッパー・ポッツと踊る
71.トニー、ペッパー・ポッツとイイカンジ
72.トニー、記者と再会
73.トニー、グルミラで兵器の出荷が継続されているのを知りオバディアに追求
74.オバディア、トニーを解任させる
75.トニー、グルミラを襲撃するテン・リングスの報道を見る
       飛行安定器が攻撃に使えると気づく

76.トニー、MARK3を完成させグルミラへ向かう
77.テン・リングス、グルミラを制圧
78.トニー、テン・リングスを無力化
79.トニー、ジェリコを破壊を邪魔する戦車を破壊
80.空軍、未確認の機影を観測
81.ローズ中佐、トニーと世間話をする
82.戦闘機、未確認機を攻撃
83.トニー、ローズ中佐に助けを求める
84.トニー、撃墜したパイロットのパラシュートを開く
85.オバディア、一連の事件の報道を見る
86.オバディア、ラザに接触
87.ラザ、回収したパワードスーツを見せ取引を持ち込む
88.オバディア、ラザを殺害。テン・リングスを全滅させる
89.ペッパー・ポッツ、危険を冒すトニーに辞職を願う
90.トニー、思いを打ち明ける
91.ペッパー・ポッツ、出荷データの盗みを引き受ける
92.ペッパー・ポッツ、トニー拉致の真相を知る
93.オベディア、社長室に入る
94.ペッパー・ポッツ、データを持ち出す
95.ペッパー・ポッツ、コールソンと会う
   オバディア、盗みに気づく

96.オバディア、トニー以外パワードスーツを起動できないことを知る
97.オバディア、自宅で待つトニーを麻痺させる
98.オバディア、トニーのアークリアクターを奪う
99.ペッパー・ポッツ、ローズ中佐に暗殺を伝える
100.トニー、ペッパー・ポッツのプレゼントを使う
  オバディア、パワードスーツを起動させる

101.ローズ中佐、トニーを保護
102.ペッパー・ポッツとS.H.I.E.L.D.、オバディア逮捕に向かう
103.トニー、ペッパー・ポッツの元へ向かう
104.ペッパー・ポッツとS.H.I.E.L.D.、アイアンモンガーに遭遇
105.オバディア、ペッパー・ポッツを襲う
106.トニー、オバディアが投げた車を助ける
107.オバディア、トニーを攻撃
108.トニー、オバディアを上空に誘う
109.オバディア、氷結
110.トニー、オバディアの奇襲を受ける
111.トニー、ペッパー・ポッツにアークリアクターの爆発を指示
112.トニー、追い詰められる
113.ペッパー・ポッツ、アークリアクターを爆発させアイアンモンガーを破壊
114.トニー、アイアンマンのネーミングを褒める
115.コールソン、トニーに台本通り話すよう指示
116.トニー、ペッパー・ポッツにあの夜のことを謝る
117.トニー、記者会見でアイアンマンを名乗る
118.エンディング
119.エンドロール
120.エンドロール
121.エンドロール
122.エンドロール
123.エンドロール
124.エンドロール
125.エンドロール
126.フューリー、トニーをアベンジャーズに勧誘







まとめ

10分 天才トニー・スタークの拉致
30分 パワードスーツを開発
45分 兵器を捨てる
60分 MARK2、完成
75分 MARK3、完成
90分 トニーの決心
105分 オバディアの逆襲
120 トニー、アイアンマンを名乗る



「だれが」「なにをした」かだけを書いていくものなので
例えば、
それぞれの登場人物が何度も台詞に出す兵器への考えは省いて書いてませんが
それでも、人物の行動だけでその態度が伝わるのがこの映画の凄さです

次は「何故、大ヒットしたのか?」を読んでいきます





15分解説
アメコミ映画の構成術

『アイアンマン』が大ヒットした秘訣は「構成」の勝利です
この映画はこんなふうに構成されています

2時間の映画が120分
上映時間60分までを映画の半分として
アイアンマンを作るまでを「前半
アイアンマンで何をするのかを「後半
この2つで構成されており

これを15分ごとに
起・承・転・結を2回繰り返す
これが『アイアンマン』の構成術です
この一言に尽きます


10   30  45   60   75   90 105    120 
起・承・転・結  /  起・承・転・結
こんなかんじ
これを、先程のまとめに実際当てはめてみると

前半
10 天才トニー・スタークの拉致
30 パワードスーツを開発
45 兵器を捨てる
60 MARK2、完成

後半
75 MARK3、完成
90 トニーの決心
105 オバディアの逆襲
120 トニー、アイアンマンを名乗る

次はこれを、15分ごとに解説します







10分まで 天才トニー・スタークの拉致
最初の10分は「映画の紹介」です
ここでは
・物語のキッカケ
・周りの登場人物
を語ることで自ずと最後にトニーの人物像がわかるようになっています

冒頭4分はこの映画で唯一時系列を入れ替えているシーンです
先にトニーが拉致される場面を見せることで

上の画像のタイトルが出る場面が終盤「これが誰に向けたメッセージだったのか」のサスペンスの伏線を印象付けるためにこれを最初に持ってきています

次にトニーに関係する周りの登場人物が紹介されます
兵器会社の担当将校であり何時も手を焼く友人の「ローズ中佐」は、トニーの内面です。場面ごとの心情とシンクロする「私的な影響」に関係します
CEOの座を譲った副社長の「オバディア」は、トニーの外面。彼の行動によって社会が変化する「公的な影響」に関係します
「ローズ中佐」と「オバディア」、「内面」と「外面」
この2人がトニーの行動によって影響を受け物語を展開させることで
主人公・トニーのキャラクター・人物像がわかりやすくなっています

そして最後にトニー本人が登場するシーンで見せるのはセックスです
「子供も観る。映画で一番やってはいけないこと」を見せることで
兵器を作る彼がどういう人物かを紹介しています
その証拠にペッパー・ポッツとはキスもしません

①キッカケ
②登場人物
③主人公
映画の状況設定がすべてなされ、これがラストに映画が解決するものです
ここまでが10分


少し覚えておいてほしいのはトニーが拉致されるまでの最後のやりとりは
写真を撮れなかったことです







30分まで パワードスーツを開発
次の30分までは「映画の説明」です。これで何の映画かがわかり
映画に出てくる全ての要素が出尽くします。アイアンマン以外はね
30分目には主人公をラストまで向かわせる動機付け「目的」が決定します

それまでの20分間は4つのことが登場します
①「ペッパー・ポッツ
②「ジェリコ
③「インセン

④「アークリアクター


トニーにも大切なひとペッパー・ポッツがいるのが直接的な台詞ではなく「誕生日プレゼント」を気遣うところでわかります
(ローズ中佐=内面、オバディア=外面 なら
 以後、ペッパー・ポッツはこの映画で60と90分頃の
 トニーが何かを決意する場面で動くイニシエーションな存在です)

そんな笑顔と姿で居ながら、表の顔では人殺しの道具を売って簡単に手を汚せる残酷さを丁度15分目
15.トニー、国軍に新兵器ジェリコを紹介
に見せています。ジェリコは彼の兵器開発が行き着いた先です

拉致監禁され自分の作ってきた兵器の正体と身の程知ったトニーは
インセンに出会うことで、はじめて誰かと対等に物を作ることを覚えます
(ここでグルミラに家族が居たことを示唆)

「SFの嘘は1つまで」なら完成したアークリアクターはこの映画で唯一の嘘ですが
彼に生きる希望を与えます

ここだけでも小さなが出来ていてトニーの成長の兆しを描いてます
そこからこの映画の目的が自ずと決定されます

30分目に
27.トニー、パワードスーツの設計図を見せる
「アイアンマンを作る」
タイトルにもある通り、これがこの映画の目的であり
パワードスーツ作りが、この映画の見せ場でありスタイルです







45分まで 兵器を捨てる
パワードスーツを完成させて脱出するまでの15分間
主人公がはじめて自らの行動を選択する重要な「プロットポイントⅠ」です
この選択によって「状況の変化」が生まれます
主人公・個人の行動が登場人物・社会に影響を与え、物語が大きく転がっていきます
自分の作った兵器でインセンを犠牲にしたトニー
この展開に影響を受けるのがローズ中佐オバディアです
(以後、この2人は会いません)

ちなみに、パワードスーツ(MARK1
)の成果は「飛行失敗」です

MCUではこの選択が更に大きな歴史の転換になっています





60分まで MARK2、完成
60分目は「映画の半分」
映画の名場面と呼ばれるシーンは大体ここで起きることです
最初の見せ場です
この映画では、もちろんパワードスーツを作る一連の作業です

トニーの選択によって
オバディアはアークリアクターを知り「過去の自分」のように兵器に囚われ
唯一MARK2の計画を明かしたローズ中佐から失望され「周りの人物」を失い始めますが
それをペッパー・ポッツが支えます


アイアンマンを作るまで
ここが「前半」の折り返し地点(ミッドポイント)です


MARK2を作った理由は完成と同時に行動で示しています
そう「飛行」です
ここで見つかる問題点がラストの勝敗を分ける複線になっています







②、75分まで MARK3、完成
ここからが「後半アイアンマンで何をするのか、が始まります

トニーが慈善イベントに行って帰ってくるだけの15分ですが
スタン・リーとコールソンに遭遇して、ペッパー・ポッツとの関係が深まり、美人記者からグルミラの事実を知り、オバディアの裏切りを知る
までのシークエンスが流れるように同じ場所で済ませています

冒頭で言ったことを思い出してもらいたいのは
トニーがテン・リングスの襲撃を受けて拉致されるまでの最後のやりとりは
写真を撮れなかったことです
トニーはニュースの映像で自分の姿が映されているのを見て主催の慈善イベントに呼ばれていないことに気づきます
そしてその慈善イベントで自分の兵器がまだ世の中に流れていることに気づく
この映画の中で「写真」は、今まで見えていなかったものに目も向けさせられる装置として機能しています
そして、テン・リングスによってインセンの家族が居たグルミラが支配されている映像を見て
トニーは怒りに燃え、アイアンマンの次の使い道を見つけます



MARK3の目的は「攻撃」です
後半は言わば「復讐編」です




②、90分まで トニーの決心
トニーがグルミラで戦い、空軍との交戦を回避する15分
アイアンマンで何をするのか
その実際のビジョンを一度見せることで、アイアンマンを使って何をするかの「目的」が決定します

トニーがパイロットを助けることと、ローズ中佐のリアクションがシンクロすることで
トニーの行動に感情的高揚感が付け加えられてます(出番少ないけど)

そして、トニーはペッパー・ポッツに頼みごとをします
兵器を無くす
主人公が行動を選択する「プロットポイントⅡ」であり
ラストに向けて「第2の映画の目的」決定します


映ったものによって気づきを得るのはトニーだけじゃありません…







②、105分まで オバディアの逆襲
「なんでトニー、秘書程度にそんな高度なこと任せるんだ」
主人公は前半ほど行動せず、ドラマも膨らんでいきません
映画の2/4~3/4はラストに向けて主人公はあまり活躍しません

主人公の目的、データを盗むこと
=オバディアの立ち場が危うくなり行動せざる得なくなります
アイアンマンを作って兵器無くせば副社長怒る
後半の展開は前半より情報が少なく既にある要素だけでスムーズに進みます
この映画が何処に着地するのかが
トニーの「引き返しのつかない行為」で完全に選択肢を狭めていくことでラストが明確になります
ここで前半のように大げさな風呂敷を広げたり、選択肢の狭め方が下手だと
「何がしたかったの?」「解決してないじゃん」「後半ダレてしまった」
と評価を分けてしまいますが、この映画はここが上手く成功しています







②、120分まで トニー、アイアンマンを名乗る
自ら産んだ過去の遺産と戦うことで、「過去の自分」という葛藤を乗り越え
映画の冒頭10分で提示されたものを「解決」します

ペッパー・ポッツがS.H.I.E.L.D.に礼を言うんですが
こいつらドア壊しただけですよ

最後にトニーは新しい人生を決断します
「真実は…」と言いかけメモを画面から外す
このときの演技には犠牲になったインセンや過去を思い返しているかのような解釈が全て込めれられていて
これから始まる「アイアンマンのある世界」の幕開けを覚悟させます





15分解説終わり







あとがき
ここまで読んでくれてありがとうございます
「最初の文字が「ア」からはじまる映画特集」と題して
①『アメリカン・グラフィティ
②『アメリカン・ビューティー
③『アイアンマン
をとりあげさせていただきました

それぞれが一貫したあるテーマを持っているのが見えるように並べてみました
これで終わり!





とおもいきや…

やります!
MCU特集

今回扱った
MCUの原点
アイアンマン

MCU最高傑作
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー

僕が好きな
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

この3つをミニッツライナーさせていただきます!
おたのしみに!

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