#05『悪魔のいけにえ』ミニッツライナー(83分)

ミニッツライナーとは?
映画本編ごとに止めて
「だれが」「なにをした」
かだけをずつ書いていくことで  
映画の構造をより深くたのしむ方法です
_SL1000_
 
 



こんにちは
今回は秘宝系映画特集第1弾
悪魔のいけにえ』をミニッツライナーしていきます
『13日の金曜日』のジェイソンがチェーンソーを持っていると誤解を生んだ原因
製作費約4000万円にして
世界配給収入60億円を突破
今も尚愛され続けるホラー映画史のマスターピース
 
目次

【前半】
『悪魔のいけにえ』ミニッツライナー(83分) 
読めばいつでも映画を思い出せるように「だれが」「なにをした」だけで全く恐くないように書きました

【後半】
まとめ&15分解説
「ナイフはどこへ消えた?」
『悪魔のいけにえ』は「何が映画として優れているのか?」映画を15分ごとに掘り下げた解説です

それではどうぞ
1974年公開『悪魔のいけにえ』 上映時間83分
The Texas Chain Saw Massacre
監督 トビー・フーパー
脚本  キム・ヘンケル
     トビー・フーパー

※数字は上映時間の分です
1.あらすじ
2.墓泥棒
3.墓泥棒事件のニュース
4.世界各地のニュース
5.アルマジロの死骸
6.フランクリン、用を足す
7.フランクリン、車風に飛ばされ転倒(パムの占い)
8.一行、墓地に到着。(じじいの忠告)
9.サリー、祖父の墓の無事を確かめる
10.フランクリン、家畜の殺し方を熱弁(処理場の牛)
 
11.ヒッチハイカーを乗せる
12.ヒッチハイカー、写真を見せる。食肉加工を熱弁
13.ヒッチハイカー、フランクリンからナイフを奪う
14.ヒッチハイカー、自分の手を切る
15.ヒッチハイカー、自分のナイフを見せる。写真を撮る
16.ヒッチハイカー、会食を断られる。写真の代金も断られる
17.ヒッチハイカー、写真に火をつける
18.フランクリン、腕を切られる。ヒッチハイカーを追い出す
19.スタンドに到着(パムの占い:サリー)
20.老人、午後までガソリン切れを教える
 
21.老人、フランクリン宅に行くのを忠告(父の家)
22.錆びれたスタンド。フランクリン、ナイフをいじる
23.一行、スタンドを発つ。(血文字)
24.フランクリン、写真を焼いた行動を分析
25.一行、フランクリン宅に到着
26.ゾロの印。フランクリン、ナイフを探す
27.フランクリン以外、フランクリン宅を物色
28.フランクリン、サリーを探す
29.騙されたフランクリン
30.カークとパム、フランクリンに泳げる場所を尋ねられる
 
31.カークとパム、涸れた川に到着
32.カークとパム、ガソリンをもらいに家に向かう
33.カークとパム、発電機をみつける
34.カークとパム、家を訪ねる
35.カーク、家に侵入
36.レザーフェイス、カークを攻撃
37.パム、カークを追って家に侵入
38.パム、大量の骨をみつける
39.パム、逃げ出す
40.レザーフェイス、パムを鉤に刺す
41.レザーフェイス、チェーンソーでカークの頭部切断
42.フランクリン、サリーにナイフを返すように言う。(サリーは持ってないと言う)
 ジェリー、ふたりを探しに行く
43.フランクリン、パムの占い・ヒッチハイカーを気にかける
44.ジェリー、家に到着
45.ジェリー、カークの服をみつけ家に入る
 
46.冷凍保存されたパムを発見。レザーフェイス、ジェリーを攻撃
47.レザーフェイス、家の状態を確認。椅子に座る
48.フランクリンとサリー、ジェリーを待つ
49.フランクリン、スタンドに行く。サリー、ジェリーを捜しに行くことを提案
50.サリー、フランクリンと決裂。(車の鍵はジェリー、懐中電灯はひとつ)
51.フランクリンとサリー、ジェリーを捜しに行く
52.サリー、家をみつける
53.レザーフェイス、フランクリンをチェーンソーで攻撃
54.サリー、レザーフェイスから逃げる
55.サリー、家に逃げ込む
56.サリー、窓から脱出
57.サリー、レザーフェイスから逃げる
58.サリー、スタンドに逃げ込む
59.サリー、老人に助けを求める
60.サリー、人肉焼きを見る(サリーの方が恐い)
 
61.老人、サリーを攻撃
62.老人、サリーを拘束
63.老人、サリーを車に積む。電気を消す
64.老人、サリーを棒で突く
65.ヒッチハイカー、車を止める
66.老人、ヒッチハイカーを叱る
67.老人、レザーフェイスを叱る
68.サリー、椅子に拘束される
69.食事の用意
70.ヒッチハイカーとレザーフェイス、じい様を下ろす
71.ヒッチハイカーとレザーフェイス、じい様にサリーの血を飲ませる
72.サリー、目覚める
73.宴(ヒッチハイカーとレザーフェイス、サリーに触る)
74.ヒッチハイカー、老人の職業を批判(コック)
75.サリー、発狂
 
76.じい様、登場
77.じい様の偉業
78.じい様のハンマーが当たる
79.サリー、窓から脱出
80.ヒッチハイカー、トラックに轢かれる
81.レザーフェイス、サリーを追う
82.サリーの高笑い。レザーフェイスの怒り
83.エンドロール






まとめ
 
10 ヒッチハイカーに遭遇
20 ヒッチハイカー去る
30 家
45 3人目の被害者
60 サリーの逃走
75 サリーの発狂
ラスト さらば、ヒッチハイカー
    さらば、レザーフェイス

次はミニッツライナーから見えた15分おきの
全く恐くない解説です






15分解説
「ナイフはどこへ消えた?」
映画に登場するナイフにはルールが2つあります
 
①ナイフを持った者は奇行に走ります
②ナイフを持った者は主人公です
 
物語とは一切関係ないように見えますが
『悪魔のいけにえ』に隠されたテーマを紐解く重要なカギです
 
解説では映画を教科書のように
「いかに映画として優れているのか?」
を15分おきに解説していきます







10分まで ヒッチハイカーに遭遇

ここで起きること
・一家の悪行
・一行の墓参り

冒頭3分、物語の引き金である事件を語りますが
次の強烈なオープニングでは一切関係のないニュースが流れます
その後も アルマジロの死骸、パムの占い、じじいの忠告、処理場の牛…
と縁起の悪い不吉な予兆を次々と見せるが最初の10分です
 
早速、彼らの行動が社会性を帯びて主人公たちの行動を引き寄せます
墓参りに来た時点で老人若者しか登場しない物語であることを臭わしているのと同時に
唯一行動するフランクリン、それとサリーが物語の主人公であることを提示しています







20分まで ヒッチハイカー去る

ここで起きること
・ヒッチハイカーを乗せる
・ヒッチハイカーを降ろす
 
最初の10分の不吉な予兆
20分目は、その予兆が具現化した実際の恐怖
1番目の恐怖、ヒッチハイカーが登場します
 
フランクリンと肉の知識勝負で対立します
肉の写真を見せた後に人の写真を撮ったり、会食を迫ったり、ゾロのマークを刻んだり、今度はサリーを占ったり
先程に比べ物語の今後を暗示したような行動を見せます
 
また、「ガソリンスタンド」に寄るのは伏線ですが
「墓」同様本筋と関係ないところに寄って忠告を受けて何事もなく立ち去るのは同じです
以降
2番目の恐怖、40分レザーフェイス登場まで
この20分4コマをもう一度繰り返します

30分まで 家
 
ここで起きること
・ナイフを入手
・目的地に到着
・フランクリンの不満
 
ナイフを持った者は奇行に走ります
ナイフを持った者は主人公です
 
22分でナイフを入手します
早速奇行に走ります
 
フランクリンがサリーを探す理由は
24分で「サリーはフランクリンからナイフを借りてコーラのフタを空けている」ので
消えたナイフを探していますが
急に大笑いしたりと奇行に走っているので
この時点ではフランクリンがナイフを持っている
と考えます
 
一行が旅をする本当の目的がわかったと同時に
映画の1/4で主人公のドラマ上の欲求・新たな目的
「ナイフを探す」が出てきます







45分まで 3人目の被害者

ここで起きること
・レザーフェイスが3人殺す
 
映画の半分
5人の若者だけの物語に
2番目の恐怖、レザーフェイスが登場する転回点です
物語は個人→社会性を帯びてきます
が逃げ場はありませんね
 
カークとパムが家に着くまでに
大量の車とボンネットが空いていたり
人を殺した後のレザーフェイスがなんら普通の人間らしい行動を見せたりと

ヒッチハイカーの20分が恐怖の暗示なら
レザーフェイスの20分は恐怖の秘密が明らかになります
 
一方、主人公はナイフを探します
所在についてサリーと意見食い違いますが
果たしてこの時はどっちが持っているんでしょう…







60分まで サリーの逃走
ここで起きること
・フランクリンとサリーの対立
・フランクリンが死ぬ
・Uターン
 
主人公が死にます
家については観客はもう何回も見てるので
チラッと見てサッと帰ってくれるサリーはUターンしただけです
 
本当の恐怖レザーフェイスから逃げるクライマックス
60分目でサリーの顔が恐くなります

これまでのナイフ考察
・ナイフを持った者は奇行に走る
・ナイフを持った者は主人公
のルールは一貫していることから
おそらく最後までナイフを持っているのはサリーであり

実はサリーも恐怖の対象で
20分ごとに恐怖が立て続けに登場していることから
サリーが3番目の恐怖と言えるんじゃ…
と、こうやって辿っていくとラストに提示されるテーマが明確になっていきます
 

75分まで サリーの発狂
 
ここで起きること
・サリー、捕まる
 
実はヒッチハイカーレザーフェイス老人
同じところに住んでいて
まさにこの映画のテーマ
全ての恐怖は等しく同居であること
一家の正体・恐怖の正体
が遂に明らかになります
 
今まで積み上げたものが全て消え
主人公の選択肢が狭まることで
ラストまでの「何を解決するのか」がハッキリします
『悪魔のいけにえ』では純粋に
「こんなとこ1秒も速く出て行きたい!」と観客に思わせる、体験させてくれます
他の映画なら仲間が死んだり裏切ったり、と予期せぬ不運に襲われる場面ですが
サリーの発狂と音響だけでやってのけているのはやはり凄いですね

ラスト さらば、ヒッチハイカー
    さらば、レザーフェイス
 
ここで起きること
・サリー脱出
・ヒッチハイカーが死ぬ
・レザーフェイスがチェーンソーを振り回す
 
サリーは常に窓から脱出します
 
冒頭、主人公フランクリンを襲う最初の恐怖も
最後にヒッチハイカーを襲う恐怖も
同じくトラックです
最後の最後に
全ての恐怖は地続きで等しく襲ってくる
本当のテーマを持ってくることで
映画が繋がってきます

最初は左から、最後は右から トラックは同じ車線を走っています

最後に
悔しがるレザーフェイスとサリーの高笑い
明らかにサリーの方が恐く
果たして本当の恐怖はどっちなのか?
人間にも恐怖にも等しく襲いかかる恐怖の中では
もうその区別すら存在しないんだ

という一番怖い恐怖を見せています
 
15分解説おわり

 




あとがき

秘宝系映画特集をやるぞ!年越しまでに3,4作!
と意気込んだ第1弾です遅れました
もうクリスマスです
 
クリスマスと言えば
スカイ・フェレイラが『OMANKO』という曲で
「日本のジーザスはクリスマスにセックスさせるの?」
と唄っているのでクリスマスは家で暖か~く過すのが一番だと思って間違いないです
 
それでは
次回もお楽しみに!
グッドナイ!

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